― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2009年7月12日 (細き声)

教会の前の道は上り坂になっているためトラックなどが来ると大きな騒音で駆け抜けて行く。特にメッセージの準備をしている時などはことさらうるさく思える。「また来た！あっ！まただ！」とついつい思ってしまう。これは説教の組み立てがうまく進まないからそう感じるのだろうとは自分でも分かっているのだが、先日も考えごとをしている最中に大きなダンプカーが轟音を上げて上ってきた。「じゃまやなぁー」と聞きたくない音に嫌気がさしていたら、その中に「ホーホロロロローキョ」みたいに鶯の声が一緒に響いてきた。車が過ぎて行った後にもその辺を何回か飛び回って、美しい声の響きを牧師室に残して行ってくれた。もうそれだけで私は嬉しくなって、「ここはええところやなぁー」なんて思っている。エリヤがイゼベルの恐怖の言葉を聞いて逃げまどっていた時、彼は大風と地震と火が襲う轟音の後で主の「細き声」を聞いた。その細き声がエリヤにもう一度主に立ち返り、主に信頼する力を与えた。現代の私たちも様々なものに遮られてこの細き声を聞けずに、あるいは聞かずに進んでしまうことが多いのではないだろうか。しかし、ちょっと手を休め、顔を上げ、耳を澄ましてみると轟音中の鶯のように、人生の嵐の中でのエリヤのように、私たちも主の細き声を必ず聞くことができるだろう。