― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2009年8月30日 (１枚のレコード)

中学３年生の時１枚のＬＰレコードを手に入れた。井上陽水のライブだった。歌詞カードには彼の手書きの文字にギターコードが全部打ってある。部屋を暗くしてレコードを掛け、姉が使わず、ほったらかしにしてあったギターを抱えて、自分では陽水になったつもりで悦に入って歌う。陽水のちょっと暗い感じの曲調と字余りな感じの歌詞が青年武間の心を捉えた。それから一生懸命コードを覚え練習した。ある日、時間を忘れてレコードに合わせてギターを弾き唄い続けていた。一息ついたら、下から父の声が聞こえた。「恵洋、今歌いよったん、お前か？」わたしは父が感心して聞いてくれたのかと弾んだ声で、「うん」と応えた。すると父が「へたくそやなー」とそれだけ言って去っていった。ガクッときたが、全然めげなかった。小学校から中学にかけて音楽の成績はいつも２以下だった（５段階評価中）。知的に音楽を理解しようとすると感覚人間の私には全く面白くないものだった。が、体で楽しみつつ音楽を受け止めたときそれは命を持っているようであった。 　聖書を読んでもピンと来ないという方がおられる。きっと知的に理解して聖書を取り込もうとしているのだろう。たまには聖書の人物になりきったつもりで聖書を読んでみると「いのちのことば」があなたの魂に響いてくるのではないだろうか。