― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2009年10月4日 (父)

中学１年生の時、野球部だった。毎日放課後、暗くなるまで練習。もちろん夏休みもない。苦しい事も多かったが、友達がいるし楽しくもあった。しかし、春休み前になって何故か突然やめると心の中で決めた。春休み中家にいると、家族が「今日野球ないんか？」と聞く。適当なことを言ってごまかしていたが、とうとう止めたことを伝えた。その晩、父が会社から帰ってきたと思ったら、すぐに私の側に座った。そして何故やめたか、せっかく１年も続けたのにどうしてかと、延々２時間近く（本当は30分位だったかも知れない）野球を続けるように怒りながら説得した。泣き出した私だが野球部には戻らなかった。野球が好きな父は私に期待をしていたのだろう。長男として家を継ぐはずだったのに、家を出た時も父は怒った。ここでもまた父の期待を裏切ったわけだ。ふり返ると父の期待にはほとんど応えられていない自分だなと思う。先日、故郷へ帰ったとき弟が「兄貴、親父に言ってくれ。兄貴の言うことなら親父聞くけん。」とある事を頼まれた。どう伝えたら父の考えを受け入れつつ、弟の気持ちを伝えたら良いかと思案し、しばし祈った。どうにか父が一つ折れてくれて、そこは丸く収まった。小さい頃からよく叱られた私にとって父は怖い存在だった。ここ何年か私は年を重ねて行く父を見ると何だか、いとおしくなる。 　全く期待に添わない息子でも父子であるがゆえにその関係は崩れない。感謝な事だ！天の父はきっとそれ以上に期待を何度も裏切るこんな私をも走り寄って迎えてくれるに違いない。