― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2009年10月25日 (弱点は誰にも)

スーザン・ボイルさんと言えば「ああ、あの人」と思い出す人も多いことだろう。インターネットで彼女の名前を検索すると、今年のイギリスでのオーデションの光景が映し出される。ステージに上がった彼女を見て審査員も会場の人々も「場違いな人が来た」みたいな雰囲気が流れる。47歳、小太り、天然パーマのようなカーリーヘアー、服装は普段着のようなワンピース。質問する審査員の表情にも少し呆れたような感じが現れている。それでもスーザンさんはニコニコしながら応対している。前奏が流れるしばしの静寂の後、ひとたび彼女の歌い声が流れ出すと会場内は驚きの歓声と拍手が溢れ出す。そして最後には彼女の声と歌唱力に魅了された人々が総立ちとなり、感動の渦に巻き込まれていく。 　幼い時に脳障害を患った彼女は軽い知的障害を持っているらしい。恐らくこれまでにも、あの歌いだす前の会場の雰囲気に似た冷笑を浴びるような経験を何度も味わったのではないだろうか。それでもその弱さを隠さず、よくあのオーデションに出てきてくれたなーと私は感動を覚える。出来れば欠点、弱点は人の知られたくないと私は思う。でもそれが自分の本当の姿ならそこを精一杯生きることこそが、主の喜んでくださるところではなかろうか。もう少し言えば、罪を認めるとは等身大の自分をしっかり見つめながら、その罪を覆ってくださるイエスと共に生きることだろう。そこには弱さが、主にある強さに変えられる不思議がある。