― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2009年11月22日 (麦踏み)

聖書植物園に10月上旬植えた麦が大分大きくなってきた。まだ気候が暖かいのでよく伸びる。先日2回目の麦踏みをした。せっかく真っ直ぐ育っているものをぐちゃぐちゃに踏み倒す。こうすることによって、これから迎える冬に耐える力と、株がしっかりし、強くなり初夏にはより豊かな実りを得るためである。私は成人式をアメリカで迎えた、その時先輩が成人祝いの寄せ書きに記してくれたのが「踏まれずして　伸ばしめたる　麦あはれ」という言葉だったのを今も覚えている。気持ちよさそうに空に向かって背を伸ばす麦を踏みつつ、なんか悪いなぁ〜と少し思いながらも、上の言葉を心でかみ締めて麦を踏む。それでもつぶされるのはやっぱりいやだろうな！なんて思いが交錯する。だが、これが後になって「豊かな実」に繋がることを経験するのだと、人の生き様と重ねながら麦の上を歩く。 　何かを得ようと、またよき志を続けようとする時、必ず「麦踏み」に似た心境を人は抱えるのではないだろうか。そして人間の経験から生まれる言葉だけでなく、聖書にはこうある。「神は全てのことを働かせて『益』としてくださる」とある。大切な事は、麦が踏まれてもまっすぐ空に向かって伸びるように、私たちも困難の中でも真っすぐ心を主に向けることであろう。