― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2010年3月28日 (もの忘れ)

「あれっ、思い出せない、あんなに親しくして来て、お世話になった先生なのに…」そう思っている間にその先生がこちらに向かって歩いて「あらつ、武間先生お久しぶり！お元気そうね」と話しながら近づいて来る。私の方は心の中で、「早く思い出さなければ！と『あ』から始めて言葉を当てはめつつ、その先生の名前を探り出そうと必死の作業中。そこへ誰かが、「〜先生」とその方の名を呼んでくれた。気づかれないように胸をなでおろしつつ、握手をしながら、久しぶりの再会を喜び、挨拶を交わした先日の友愛グループ総会での一場面。最近時々気づくのだが、すぐに記憶が帰ってこず、脳の中の記憶の線が断線しているように感じて、しばしそれを修復するのに格闘している自分がいるのである。職業柄、私は出来るだけ人の名前は覚えるように普段から気をつけているつもりである。亡くなった祖母はよくもの忘れをした。『ばあちゃん、何でそんなに忘れるん？ぼくや絶対忘れへんよ』祖母は私に言った『おまはんも、これくらいの年になったらわかるわ！』忘れるというのは神様が下さった一つの賜物でもあると私は考える。忘れられるから過去を引きずらずに生きることが出来る。しかし、大切なことは誰も忘れたくないものだ。 　創造主なる神様は決して「忘れる」ということがない方である。その方が「見よ。私は手のひらにあなたを刻んだ」とある。（イザヤ書49章16節）それほどに貴方や私を覚えていてくださる方がいることを改めて思うのである。