― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2010年6月13日 (本当の勝利者)

ラジオ伝道者であり、キリスト集会の伝道者である高原剛一郎師の番組を私はインターネットを通じて聞いたり、文章を読んだりして学んでいる者の一人である。この方の説教スタイル、構成、内容にいつも深い感銘を受け、時々自分の説教にも引用させていただいている。実に優れた説教者である。この方の奥様が昨年9月、胃がんが全身に転移しているのが判明し、激しい闘病の末天に召された。その期間僅か2ヶ月と１週間であった。師が今年50歳なので奥様も大体それくらいの年齢であったろう。闘病生活の間に交わした夫婦、家族、信仰者との会話、そして自分が闘病から学んださらに深みを帯びたメッセージが記された本「コスモスの花のように」を読んだ。すばらしい一冊である。 　「死」というものがもたらす地上最大の悲劇が突然この一家を襲う。何もかも引き裂いて絶望と悲しみのどん底に突き落とすこともできるだけの力を持っているのが「死」であろう。しかし、この家族に起こったこの大きな敵を前にして、なんと力強い、愛に溢れた、そして希望に満ちている家庭であろう。最初から私は泣けて泣けて仕方なかった。でもその涙は決して悲しい涙でなく、この強敵を相手にしながら家族が支えあい、自立し、イエスの愛に包まれ、この先失うであろう母をこの上もなく尊敬し、愛する姿の美しさが、そこにはあるからだ。キリストの十字架からの愛と赦し、そして復活を信じ生きる者に、神様はこれほどまでに見事な勝利を与えて下さっていることを改めて、魂の奥深くまで吹き込んでもらったように感じている。「死は勝利（キリストの復活）にのまれた。」1コリント15章54節。