― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2010年7月18日 (平安)

どう見ても10代後半、ひょっとすると10代中ばかな！？茶髪の若いお母さんが生後2ヶ月ぐらいの男の子を抱っこ帯で抱えて電車に乗ってきた。空いていた優先席に座り、膝に赤ちゃんを寝かせ、哺乳瓶を出して授乳し始めた。その時、赤ちゃんの顔は私のほうを向いていた。人ごみの中も、電車が揺れるのも全然気にせず、美味しそうにひたすら哺乳瓶を吸っている。その姿の何と安らかなこと！こんどは飲み終えたその子を抱き起こし、軽く背中をたたいてゲップが出るのを促している。なんとも言えない赤ちゃんの任せきった、平安そのものの表情、美しかった！50を過ぎた見知らぬおじさんが、じろじろ見ているのを悟られないように、心の中で私は「若いお母さん、素敵な姿だね、子育て楽しんでね」と声にならないエールを送った。泣くこと以外には自己表現が出来ない赤ちゃん。母親に身を任せるしかない中で、あの安心と平安の表情が、強く私の心に残った。 　人は人生に2回、身を委ねるしかない時がある、それは赤ちゃんの時と、死んでいく時だろう。｢死｣に対して私たちはいくらもがいても、泣いても、あの赤ちゃん以上に無抵抗である。しかし、復活をもって死に勝利されたキリストは永遠の希望と平安を与えていてくださる。私には後一回残された、全くの無抵抗の時が来る。あの赤ちゃんの、あの素敵な平安な顔を心に刻んでおこう。