― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2010年10月24日 (籾殻焼き)

殆どの田んぼでは稲刈りを終え、残った刈株からは短いみどりの新芽が出て、ゆっくりと、ひっそりと冬への備えをしているように私の目には映る。バイクに乗って田舎道を走っていると、ヘルメット越しに香ばしい匂いが私の鼻をかすめて行く。田んぼの隅で焼かれている籾殻の匂いだ。私はこの匂いが大好きだ。そして、ついその匂いの方へバイクを向けて行く自分がいる。祖母が元気であった頃、深まっていく秋の風景の中で籾殻焼きをするのをよく手伝った。籾殻の形を残した状態で炭にすると、良い肥料になり、土の活性化にとても役立つ。積み上げた籾殻の山てっぺんにトタンを巻いた煙突を刺し、下から火をつけゆっくりと焼く。灰になってしまわないように時々水をかけて火を調節する。乾くと袋に入れて、次の作付けの時に畑に撒けるようにと蓄えておく。昔の人の素晴らしい知恵だ。手も服も真っ黒になるこの作業が私は嫌いだったが、この香ばしい匂いはなんとも穏やかで、豊かな自然の中に生かされていた自分を思い出させてくれる。物がない時代の人々の無駄を作らない素晴らしい様式に感心する。 　無駄を造らないといえば、聖書の神様はもっと優れた方である。イエス様は十字架にかかる前夜、弟子たち一人ひとりに約束した「私はあなた方を捨てて孤児とはしない」と。 　この後、すぐにイエス様を３回も否んだあのペテロにも同じように、その約束を果たされた。この私も無駄にはせずとおっしゃる方がいる。