― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2010年10月31日 (こぼれ種)

教会の母子室の窓際には、たった１本だが草丈が２メートルにもなるチコリが成長し花を咲かせている。途中からいくつもの枝に別れ、その先には直径が5百円玉くらいの、小さなうす紫の花をつけている。それは全体に咲くのでなく、ぽつぽつと、ひとつ花が終われば、次が咲くようなタイミングで、いつも4～5つの花だけが咲いている。草丈の大きさの割には花の咲き方がひっそりとして、とても可憐で、可愛いのである。丈が高く１本だけなので、強風に吹かれると倒れてしまいそうだが、少し傾いた体ではあるが、天に向かってシャンと背を伸ばしている。家内に聞くと、この花はアネモスガーデンからのこぼれ種が落ちて育ったと言う。それだけにより強いのだとも聞いた。地面を見るとそこは砂利を敷き詰めた所である。よくこんな所に小さい種が落ちてこんなに育ったなとこれまた感心してしまう。 　大きな図体の割には、小さな花。背が高くよく目立つ割には、ひっそりと咲く花。私たちの人生とも少し似ているかな。大きなことをしたいと思っても、気がつくと全然大した事なかったり、期待はされてもそれ程応えられなかったり。しかし、イエスは言った。「このからし種ほどの信仰があれば山をも移すのです」と。それは小さくとも、この神の御手に委ねる者の人生は、良き実をつけ、美しい花を咲かせる尊い存在であると、見ていて下さるのであろう。