― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2011年 1月 30日 (再会)

沖縄伝道旅行出発日の午後。研修生時代に知り合い、私をクリスチャンに導いてくれたデニー石嶺から電話があった。「お前1月に来るって言ってたけど、いつ沖縄来るのか?」「おう！今から飛行機に乗るところ」と私が答えると、「そいじゃ、明日、教会で火曜日の礼拝あるから、一曲吹いてくれ、な。サックス持ってくるんだろ。」「いや、そちらの牧師先生もいろいろプログラムの都合があって、急では悪いだろう」と言うと、「大丈夫、大丈夫、みんな喜ぶから！」世話好きな彼は私が行くといつも仕事そっちのけで、あちこち案内してくれ、新しい人を紹介してくれる。 　こうして次の日の朝、彼の教会へ修と出かけた。行ってみると、デニーは集会後の昼食準備でサラダを作っていた。礼拝堂に案内され、「ここで、ちょっと音合わせやっといて、それで、昼ごはんの後でも、親子でなんかやってくれるといいな。修、お前も一緒にやれ!」ちょっと強引だけれども、温かみのある彼の言葉にほだされて、修もピアノを弾き始め2曲ほど練習しておいた。日曜日の礼拝には出られなかった人々が30人ほど集まり、賛美から始まる礼拝が進んでいった。メッセージの前に、デニーが研修生時代の彼と私の関係などを紹介してくれ、私は用意していた讃美歌１曲だけをここで吹いた。思った以上に喜んでくださった。みんなの食事が終わる頃、また、デニーが「それではこれから第2段が始まります。武間先生、修よろしく頼みます。」そこにはギターが一本置かれていた。食事中に修のギターの話が出たので、皆からギターを弾いてほしいとの要望を受け、彼は弾き始めた。初めザワザワしていた場がだんだん静かになり、彼の演奏にみんな聞き入っていた。そんな光景を見つめつつ想った。おとなしめの彼が、このような温かな人々と風土の中でこつこつと築き上げたものが、彼を成長させてくれたのだと、心から感謝が溢れてきたのである。その後の私の演奏は付け足しのようなものである。それで充分！ 　30年前、私にキリストを伝えてくれた、彼の教会で、これまでの歩みを導いて下さった主の素晴らしさを味わったひと時である。 つづく