― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2011年 6月12日 (びわの実)

山間の道を走ると時々黄色いびわの実が緑の葉っぱの間に、たわわに実っているのを見かけるこの季節。小学生の頃、6月といえば、私は学校から帰ると家の屋敷や畑の隅に植わっているびわの木に登って、この実を取って、木の上で食べるのが楽しみだった。大きな木に登って辺りを見回すと、私の家の周りの田んぼは、田植えのまっ最中。父や母が水を張った田に小さな稲苗を植えていた。次第に田んぼの色が変化して行き、規則正しい淡い緑の姿に変わっていく。ゆっくりとした時間の流れの中、私は枝の先についている少しでも大きなびわの実を取ろうと必死で、足場を確かめ、つかまる確かな枝を捜し、全神経を集中して実をもいでいたのを思い出す。あの時、自分の目に映っているものは、ただ、びわの枝と実だけかと思っていたが、こうして何十年も経った今でも、私の視界の片隅に映っていた映像が思い出されるのは不思議であり、楽しいものである。 　見ているようで見えてないものがあり、見てないようで、見たものがある。毎週金曜日は私にとって、悩みの日である。説教準備でいろいろ考え、頭の中を集中している時に、あの聖書の言葉は？と探すとなかなかそこに行き当たらない！！そんな自分が悔しくて、意地でも探そうとして時間を無駄にすることがよくある。覚えたつもりの聖書箇所が頭に入ってないと言うことは、やはり子供のような心で聖書を読んでないと言うことなのか？！と反省しつつ、エレミヤが語った言葉を思い出した。「私はあなたの言葉を食べました」と。そうか、覚えようとするのでなく、食べるような気持で読むということか。