― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2011年 6月19日 (自転車)

新品の自転車を頂いた。ここ10年近く我が家から自転車は消えていた。久しぶりに乗るのと、それがあまりにも軽快に走るので楽しくなって、一気に教会まで乗ってきた。普段は車とかバイクでこの5キロあまりを難なく往復している。ところが自転車となると道の上り下りの一つ一つが明確に自分の足に反応を求めてくる。こんなにも上り坂が多かったのかと思ってしまう。実は下り坂も同じようにあるのに、そうは思えない自分がまた面白くなる。最後は教会の前の上り坂である。腿と膝の筋肉はクタクタになっているのだが、これさえ超えればと、ペダルを一気に踏み込んで、やっとの思いで教会の駐車場に入った。こんなに軽快な自転車でも、重力に逆らって車輪を転がすと言うのがこんなにもエネルギーが要るものかと、上り坂の途中、ペダルに力を注ぎつつしみじみ思った。自然の道理に逆らって進もうとする時、大きなエネルギーを使うことになる。 　人間は神様に造られ、その造り主と共に歩むように生かされている。なのに、それに逆らって自分ひとりで生きているかのように、造り主に背を向けて進もうとすることは、生きるエネルギーの無駄使いをしているのだなと考えさせられた。 　世界の全てと言っていいほどの、あらゆるものを手に入れたあのソロモン王が、人生の晩年に伝道者の書でこう告げている。「結局の所…神を恐れよ。神の命令を守れ。これが人間にとって全てである」と。私は全てを手に入れたわけではないが、これからも時々、自転車をこぎつつ、このソロモンの言葉を思い出していこう。