― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2011年 7月10日 (どこまでも共にある方)

一年半ぶりに日赤病院のコンサートにボランテイアとして拓君と二人で参加させていただいた。もう十年くらい前になるだろう、私が始めてこのコンサートに加えていただいたあの日。私の次に出演した高校生コーラスの爽やかで、新鮮な笑顔と歌声の感動が今でも心に深く残っている。音楽を分かち合う喜びと、音楽を通して一緒に何かをする、大きな意義と楽しさを教えてくれた日であった。その頃からずっと病院のボランテイアとして中心的に活躍されてきた、ある方が昨年ご病気になり、入院しておられると聞いた。私の稚拙な、ダニーボーイを誰よりも気に入ってくださった方である。演奏前に姿をお見かけしたので、ご挨拶に伺った。病気との闘いが厳しい中、わざわざ病室から一階のロビーまで降りて来てくださったのだ。私のことを認識されると、微かにニコッと笑顔を下さった。数え切れないほどの入院患者さんに寄り添い、イベントを企画し、励まし、慰めを与えててこられた方が、今はご自分がそれを受ける側に回っている。それはこの人だけでなく、殆どの私たちが同じようにたどる道であろう。沢山の入院患者さん、ボランテイアの方、病院で働く看護師さんやドクターがそこには居られたが、この日、私の心の中で吹くダニーボーイはこの人一人のためであったと思う。 　マタイ福音書、最後の言葉はこうである。｢見よ、私は世の終わりまで、いつもあなた方と共にいます。｣悩みの淵の暗闇の中にも、病気と闘う苦しみにも、死を迎える孤独の中にもイエスは共にいると約束した。今週もこの方を礼拝して、始めて行こう。