― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2011年 8月14日 (旧友)

私が派米農業研修生プログラムを終え、帰国してまもなく知り合ったアメリカ人宣教師夫妻がいる。私たち夫婦とほぼ同年代なので、共通点が多く、若い頃からいろんな事を共にした想い出がある。彼らは今、東京に拠点を置き、伝道映画造りや、音楽を通して福音を伝えている。東京と神奈川という近い距離におりながら、お互い時間的に制約があってなかなか会えない。先日の万座伝道の帰り、ちょうど軽井沢に居ると聞いたので、久しぶりに会いに行った。彼らも原発の放射線事故以来、母国に居る家族や友人が「危ないので帰って来い」と何度も忠告されたそうだ。しかし、彼らは日本に残る決断をし、被災地に向かい、ＴＥＡＭ　ＣＲＡＳＨと共に支援活動を続けてきたようだ。彼らが被災地でボランテイアの人達に食事を提供していた時、ある日食材が底をついた。厳しい作業をして、お腹をすかして帰って来たボランテイアの皆のお腹を満たしてあげることが出来なくて、台所で食事係りのメンバー達は祈っていた。「主よ、二匹の魚と5つのパンで5千人を満たしたあの奇跡の業を起して下さい、アーメン」と。その時、台所の扉が開いて、一人の日本人女性が、大きな入れ物いっぱいの食べ物を持って「これ食べてください」と言いながら入って来たと言う。彼らは涙を流して感謝をし、感動を分かち合ったことなど話してくれた。あっという間の一時間近くのおしゃべり。帰り際に、また近々会おうねと約束をしているその時、彼が私に「もう30年以上もこうして友人でいてくれて、驚きだね。武間、ありがとうね」と言ってくれた。なんだか感慨深かった。お互いにやっている事は5千人を前にした、僅か5つのパンのような小さなものかも知れない。だが、主の前に僅かではあっても何かを提供できることを、これからも共にやって行きたいものだ。