― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2011年 8月21日 (涼風)

猛暑の中、オートバイで走ると、つい先へ先へと急いで行きたくなる。真夏の日照りでジリジリするような暑さを全身に感じながら走るのだが、特に信号で止まっている時は、焼け付いた道路からの熱風が足元から吹き上げてくるように感じるので、さらに暑さに拍車がかかる。しかし、それはバイクに乗るなら当然のことだし、皆んな、それでもバイクを楽しそうに乗っているんだから、と自分に言い聞かせつつも、心がジリジリ（イライラ）している自分がいる。「早く、信号青になれ！」なんて思って交差点に止まっていることが多い私である。 　さて先日、これも暑い日であった。信号で止まっていると、向こう側から横断歩道を横切る子連れのお父さん。バギーの中には3歳くらいの男の子が乗っていた。男の子の顔の位置は道路から、ほんの40センチ位の高さにある。「きっと暑いだろうな、お父さんよりあの子の方が熱中症になるんじゃないか」なんて考えつつ、彼らが渡り終えるのを待っていた。すると、渡り切る1メートルほど手前で、急に男の子がバギーから身を乗り出して、私のほうに、かわいい手を振り始めるではないか！明らかに視線は私の方を向いてる。なんで？と思いつつも、思わず私も、滑り止めゴムがプチプチついた白い軍手のまま、男の子の挨拶に応じた。そのまま、あの親子は路地に消えていった。僅か数秒の出来事であったが、私にはどのような涼しい風に勝る、涼風を送ってくれた。 　私たちの生涯も四季のように、過ごしやすい季節もあれば、極寒、そして猛暑のような時をも通る。だが、あの男の子のように両手を振って天で迎えてくださる方を、私たちは毎週礼拝し、毎日祈りを捧げることができる。人生の涼風これを福音と言うのだろう。