― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2011年 10月 9日 (小さな事だけど)

教会の前にある道の反対側の土手には草がうっそうと茂っていた。先日、町委託の業者さんが4～5人来て坂下までを綺麗に刈り込んでくれた。2台の草払い機は大きなブンブン音を唸らせ、草が刈り取られる時のバチバチいう音も家の中の私によく響いた。作業員同士の作業の手順を確認したり、雑談している声が、機械音のする中、さらに大きく聞こえていた。ちょうど私は説教準備をしていたので、集中力が必要な時であった。「早く終わってくれたら良いのに。」との思いで彼らが通り過ぎてくれるのを待っていた。やっと静かになったと思ったのは、昼前だった。私はいつも昼食には家に帰るので、教会を出て、彼らが綺麗にしてくれた作業後の土手を見ながら、坂を下りて行った。「うるさかったけど、綺麗にしてくれて、ありがたい」とその仕事ぶりに感謝して坂下まで来たとき、驚いた。土手の一番最後の所には3箇所に分かれて白と赤2色の彼岸花が生えていた。それを、見事に残してあのおじさんたちは、周りの草を刈ってくれていたのだ。残されていた花を見ながら、私は彼岸花が好きなので、あの作業の人たちの優しい心がよけいに伝わってきて嬉しくなった。おそらく、そんな些細な事に感謝している人間がいるなんて、あの人たちはきっと知らないだろう。 　「これらの私の兄弟たち、しかも最も小さい者たちの一人にしたのは、私にしたのです。」（マタイ25章）とイエス様は語ってくれた。私たちがしている事の多くは、やはり直ぐに感謝されることや、覚えてもらえる事ではないかも知しれない。けれども、それを「私にしてくれて、ありがとう。」と声をかけて下さる、方がいる。このお方が私たちの主であり、友である事を喜ぼう。