― PASTOR ”ＢK”こころのメモ ―　2011年 12月 11日 (心と体そして魂)

元プロテニスプレイヤー杉山愛氏のトークショーに行った。シングルス世界第8位、ダブルスランキングは世界№１という輝かしい経歴を持つ。1時間あまりにわたるショーは、司会者が4歳から始めたテニスと引退までの彼女の人生を質問形式で聞き出し、それに的確にまた楽しく愛さんが応えるのだが、私にとって大変興味深かった出来事がある。それは彼女が25歳の時、プロテニスプレイヤーとして力をつけ、ついにダブルスランキングは世界№1の地位を獲得した時のこと。喜ばしいことなのに、それに反してシングルスの試合に負け続けたと言う。シングルスの試合になると、どのように球を打ち、どんなフォームでラケットを振るのかさえ分からなくなったと言う。シングルスの試合はダブルスよりもコートは少し狭いが、ネットの高さは同じ、ラケットもボールも全く同じものを使っている。なのに、体に染み付いていた筈のラケットスイングもボールの捕らえ方もシングルスの試合では完全に崩れてしまったと言う。何と人間の心の繊細なことかと思わされた。体が覚えたことは忘れない、とよく言われるが、心がぐしゃぐしゃになってしまうと人間はいとも簡単に崩れてしまい、良きものが描けなくなる存在なのだ。神様は私たちに体と心を与えてくれた。その心を一番支えるのは魂であろうと私は考える。愛さんのスランプを克服したのは母親の言葉だった。「私にはあなたが立ち直り、またいいテニスをする姿が見える。」この一言が彼女の魂に触れたのだろう。それは愛さんを知り、いつも寄り添い、支えてきた母の大いなる愛から出た言葉である。 　神様の約束の言葉は私たちの魂への回復と希望に満ちている。その一人子さえ差し出して私たちに大丈夫、私(主)が共にいると語り続ける方である。それがクリスマスのインマヌエルである。