― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2012年 8月 5日 (競技者)

｢ここからだ、行ける。｣そう思った直後、バランスを崩しての落下。体操総合個人6種目中5種目を終え、ここまで2位をキープしていた田中選手。苦手のあん馬をどうにか落下せず、最後までやり通せばメダルに手が届く。想像を絶するほどのプレッシャーそしてこの4年間の厳しく、辛く、また孤独な練習を繰り返してきた選手の凝縮されたものが、この瞬間で明暗を分ける。どんなに悔しいことかと、何度もくり返し流される落下シーンと6位決定後の彼の表情を見る中に私にもその心中が伝わる。だがこの悔しさは、これからの田中選手をさらに大きくするだろうと私には思える。 　「これで大丈夫。」そう思ったところから大崩れするというのは競技者でなくとも、私達の人生誰にもあることだ。一時の成功や名声、地位を得て社会的に評価される。しかし、人生という総合的視点に立って見る時、一時の幸いや成功でなく、人生を競技に例えるとその全てを終えた時、｢よくやった。良い忠実な僕だ。｣マタイ25章、と喜びつつ迎えてくれる真の神様がいると聖書は告げる。たとい失敗の連続であったとしても、イエスキリストを目指して進む全ての者にこの聖書の言葉は約束されている。