― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2012年 9月 16日 (人間の意味)

｢聴こえないピアニスト｣の著者、宮本まどかさんは神経性高度難聴で誕生した。外見からすると普通の人に見えるので、話しかけられて返事が出来なかったり、上手くコミﾕニケーションがとれないことがあるので理解されず、いじめを受けることが多々あったという。そして「耳の不自由な子になったのは、まどかなんて言う、いっぷう変わった名前がいけなかったから、この子はこうなったんだ。」とか｢改名したら。｣と平然とまどかさんの前で言う人もいた。そのような生い立ちから、彼女は「まどか」という自分の名前にも存在にも自信が持てなかった。人間は悲しい出来事や厳しい現実に苦しむ時、何が悪かったのだろうと心底悩む。けれども自分ではどうしようもないことや、どこにも根拠がないことを取り上げ、それが悪いと言われても何の解決にも、慰めにもならない。 　人一倍の情熱と努力によって難聴を克服し、素晴らしいピアニストとなった彼女。だが、幼少期からのいじめや、それに伴う孤独感、そして障害者だからと言われないようにと頑張り続けてきた事の反動で、うつ状態で苦しむ年月もあった。その彼女を立ち上がらせたのもまた、人々の言葉であった。その一つが、1997年延岡でのコンサートに来ていた方からの新聞への投稿文である。「耳の聞こえない奏者が、こんなにも魂を揺さぶるような《エリーゼのために》を弾いてくれて心から感動をした。」との言葉。 　イエス様は道端の盲人にこう宣言した。「神の業がこの人に現れるためです。」当時のユダヤも日本と同じような因果応報にとらわれていた。何という大胆な宣言。そしてイエス様の語った通りにこの人は神様の素晴らしさを現したと聖書にある。根拠のある聖書の言葉、イエス様の言葉に耳を傾けよう。人間の本当の意味が分かる。