― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2012年 9月 30日 (赦される事)

青切りみかんを買って食べた。皮をむく時のこの青臭さが私は大好きだ。この臭いが私にいろんな思い出を甦らせてくれる。みかん農家の武間家では秋から冬にかけて、毎日のようにみかん取りをする。最後には蔵にも納屋にも入りきらないので、小さいみかんは加工用に使うため、年明けに直ぐ出荷するので庭先に囲いを設け、そこに入れてある。あっちにも、こっちにもみかんがごろごろしていた。ある日、弟と一緒に庭先にあるみかんを、どれくらい遠くに投げられるかを競争していた。50ｍ以上先にある隣家で、１０ｍは高い位置にあるその家に向かって次々とみかんを投げていた。少６の私では絶対その家までは届かないだろうと、その家めがけ思いっきり投げて楽しんでいた。会心の角度と勢いで飛ばしたみかんに満足していたその瞬間「ガチャ～ん！」と音が響いた。まさか！！それを知った父が直ぐ私に言った。｢恵洋、早よ行って、おっさんに謝って来い。｣私は恐る恐る、隣の家にうなだれて歩いていった。（どこか、サザエさんのカツオに似ているなーなんて思いながら）どんなに怒鳴られるかと思って覚悟して行ったが、隣りのおじさんは謝りに来た私を見て｢食べるもん粗末にして投げて遊んだらあかんな。気をつけないかんでよ。｣とだけ。ガラスの弁償もしなくていいと言ってくれた。そう、あの時の許してもらった｢ほっ｣とした感が甦る。 　聖書に「人は一度死ぬことと、死後裁きを受けることが定まっている。」とある。誰しも全能なる神の前に出て、生涯の歩みを吟味される。それ故に｢死｣はより怖いものなのだろう。しかし、ハレルヤ！イエスキリストはその裁きを私の代わりにその身に受けてくださった。もはや、彼を信じる者は誰も咎めを受けない。それが教会の十字架の意味。