― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2012年 12月 09日 (予想)

もう亡くなって久しいが、映画俳優のジョン・ウエインの作品が近頃好きになってきた。若い頃の私の中での彼のイメージは騎兵隊やカウボーイなどで白人が一方的に悪に仕立て上げられたインデイアンをやっつける偏った正義感に満ちた映画の主人公というものであった。 　だが、中年から以降の少し太って腹が出っ張っている彼の作品で初めて生の声を聞いた時驚いたというか、イメージが変わった。吹き替えで聞いていた日本人の声とは全く違う、その風貌からは想像しがたい甲高い、優しい声だった。映画の中では、大きな体でどーんと存在感があるのに、その声は若い少年のような声に聞こえて、このギャップが私には何とも心地よく、楽しいのである。厳しい西部の開拓地で命を掛けて仲間を守る力強いその姿と、声から描ける優しさを楽しむようになった。 　「西部劇のヒーローが一度も兵役に就いたことがない。」と彼は自国で中傷された時期があったと聞く。だが良いではないか、戦争こそが正義を盾に本当に人を傷つけ、殺してしまう。その様な生々しい経験をしないからこそ、温かさが伝えられるのかも知れないと，私は勝手に理解している。 　アドベントを迎えている。イエス様こそ人々の予想とは全く違う形で、人類に勝利を与えてくれた。神の一人子が人間の弱さをまとい、それでいて毅然とした態度と愛にあふれた生涯であった。ローマを倒して同胞を自由にするのではなく、自分の命を捧げることによって罪の刺から私たちを自由にしてくれた。そこに、神の愛が現れた、それがクリスマス。