― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2013年 2月 10日 (残す姿)

イエスは言われた。「人は二人の主人に仕えることは出来ません…。人は神にも仕え、また富にも仕えるということは出来ません。マタイ福音書6章26節 人は何かに仕えて生きるものと聖書は語る。 　ラジオから聞こえて来た。「両親が高齢になり、私は家族と以前のように仲良くしたいだけなんです。財産を分けてもらえなかったとしてもいいので、元のように家族と行き来するにはどうしたら良いでしょう。」 　詳しい話を聞いていた弁護士が答えた。「あなたの意向を確認したいのですが、家族と仲良くなるのが一番か、財産を分けてもらいたいのが本音かどちらですか？」と聞いた。「はい、遺産はもらえなくてもいいですが、何故私が[財産は一切いりません]と言わないと、仲良くしてもらえないのですか？」相談者の51歳の女性は会社経営をする両親の財産を整理し始めた。遺産が入るのが身近に感じて彼女は受け継ぐ財産がどうなっているか調べ、父親に遺言状を書いてもらうように勧めたと言う。その事が両親と同居している姉に分かると、姉の接し方が冷たくなり、今ではいっさい家に来てはならないと言われているとのこと。 　弁護士は言った。「両方は出来ません。あなたのなさった事分かりますか？自分の財産だけはきちっと受け取りたいと言うメッセージが財産整理をする事でお姉さんに伝わったんです。両親と同居して会社も運営して来た側とすれば警戒して当然でしょ。」続けて聞いた。「財産は放棄できますか？」暫く間を置いて「あなたは本当は遺産が欲しいんでしょ。」女性は頷いた。 　親にとって最も辛いのは自分の残した物で子供達が争う事だろう。だが、この様なケースをよく耳にする。私は「死に金」と「生き金」があると考える。人を生かすお金があり、人を荒廃させるお金がある。財産を子供が分ちあうほど残せると言う事は素晴らしい事であろう。それは神からの祝福だと信じる。しかし、遺産を残すこと以上に大切なことは、その祝福を与えることが出来る方に仕える姿を残すことでないだろうか。