― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2013年 4月 28日 (思い出のベスト)

首周りが少し伸びてしまったが、私にはとても大切な緋色のベストがある。私にとっての「信仰の母」といえるTさんが15年も前に編んでくれた物だ。彼女が85歳くらいの時にコツコツと手で編んでくれたものだ。天に召されてはや3年になる。私が帰郷した折には顔を見に行きお互いの近況などを話し合う。そして帰り際には必ず私や私の家族、そして教会の為に祈ってくれる。高齢のため背中が少し丸くなり、会うたびに体も小さくなって行くように思えた。だがその祈りには大きな力と励ましがあった。また同時にクリスチャンとして互いに普通の言葉で祈り合える何とも言えない恵みを味わった事をこのベストを見ると思い出す。 　彼女は神学校に行った訳でも、特別な働きをして来た方でもない。子供を育て家族を支えて来た普通の女性であった。けれどもその祈りは私にとってどのような偉い牧師が祈ってくれるよりも、主が側にいてくださっているという思いに導かれたものだ。ただ主を心から信じ、その愛を受けて共に祈る、そこには肩書きや実績、知名度は必要ない。これはクリスチャンの素晴らしい特権だと私は思う。 　「彼らの生活の結末を良く見て、その信仰にならいなさい。」ヘブル13章７節　最近この御言葉が私の心に響く。