― PASTOR ”Ｂ”こころのメモ ―　2013年 5月 19日 (ツバメ)

毎年我が家の玄関先にツバメが飛んで来て巣を作ろうとする。だが始めると直に止めてしまう事がここ何年か続いていた。恐らく安全を十分に確保出来ないと鳥の直感で感じたのではないだろうか。ところが今年は例年の巣作りより少し奥まった所に作り始め、遂に完成させた。幼い頃から幾つものツバメの巣が家の周りにあって、雛が飛び立って行くあの感動を覚えている私は、今年は遂に、ついに我家からツバメが孵って飛び立って行く、その姿を描きつつ楽しみにしていた。ところが、何と先日の午後、家に帰った私の目の前にはとても悲しい事件が起きていた。猫かあるいは他の小動物だろう、柱をよじ上って巣を壊し、幾つかあった卵が玄関のタイルの上に落ち無惨に割れていた。 　あまりの悔しさに暫く私は、壊れた巣と割れた卵を交互に見ているだけだった。仕方なく玄関を掃除していると親鳥が巣の側に何度も飛んで来て、心配そうに近くの電線に止る。掃除をしている私が犯人かのように、こちらをじっと見ているツバメの姿は可哀想でならなかった。通じないだろうけど親鳥に言った「済まんなー。せっかく我家に巣を作ってくれたのにヤラれてしもうたわ！」今も半壊し卵がなくなった巣にツバメは帰って来て夜を過ごしている。その親心が私にはまた切なく思える。 　イエス様は喩えで放蕩三昧の末帰ってくる息子を迎えた父親（神）の描写をしている。「ところが、まだ家までは遠かったのに父親は彼を見つけ、可哀想に思い走り寄って彼を抱き、口づけした。」あのツバメの親心はこの神様から創造の時与えられたものだろう。ましてや神様は私たちをどれほどに心にかけておられるか。